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役に立つ不動産の知識〜トラブル事例〜

媒介に関するトラブル

業者の媒介でアパートを賃借したが、線路ぎわのため騒音と振動がひどくて夜も寝られない
会社の転勤のため、不動産業者に頼んでアパートを紹介してもらいましたが、線路ぎわのため、騒音と振動で夜も寝られません。
(森 晴夫 29歳 会社員)

苦情の内容

森さんは転勤となったが、独身であったため社宅はもらえず、会社から紹介されたのは風呂もないきたない下宿屋であった。神経質な森さんがこんな下宿屋に満足するはずもなく、媒介業者に頼んでアパートを探してもらうことに決めた。
業者には、自分は神経質なのでしかるべきアパートを見つけてくれるように頼んだ。業者から紹介を受けたアパートのうち1件が気に入り、森さんは家主と賃貸借契約を結んで入居した。転居して最初の晩、寝ようとした森さんは突然の騒音と振動に驚き、目を覚ました。アパートは線路のすぐ脇にあったのである。
森さんはアパートが線路の近くにあることは知っていたが、騒音と振動がこれほどひどいとは思っていなかった。寝ることができないので、賃貸借契約を白紙解約してほしいというのが森さんの希望である。

業者の言い分

列車の騒音や振動は少したてば慣れるものですから、もうちょっと様子を見てはどうでしょう。それに森さんも線路に近いことを知っていたし、家賃も相場より安くなっています。一応大家さんに話はしてみますが・・・・。

紛争相談窓口の考え

個人差があるのでむずかしい問題であるが、通常の人が夜間眠れないほどの騒音と振動があるのでは、住まいとして欠陥があるといわざるを得ない。
本件の場合、他の借主は居住しているようであるから、そのような騒音や振動ではないようであるが、森さんの場合には特に自分が神経質であることを告げて依頼したのであるから、業者としては契約前に夜、本人を連れて行き、騒音や振動を体験させるなど、特別の注意を払うべきであったのではないだろうか。

トラブルの結末
業者は家主に、森さんにとっては騒音と振動がひどい様なので何とかならないかと相談を持ちかけた。その結果、家主の所有している他のアパートを紹介することとなり、森さんは気に入って転居することとした。
家賃や敷金、礼金は前と同じ金額で、引越しについては家主が自分の小型トラックを貸してくれたため、森さんの新たな負担は出なかった。

トラブルから学ぶこと

騒音の受忍限度については、個人差がありその判定は難しいが、一般に、受忍限度を超える騒音や振動の発生が予見し得る場合には、業者としては、重要事項説明の際にその旨を説明しておく必要がある。
家主の持つ他のアパートを紹介するという対応は、結果的に妥当なものであった。しかし、すべての家主が複数の貸家を持っているものとは限らず、本事例の解決はすべてのケースに当てはまるものではない。
特に本件のように特別の注文を付けられたような場合には、業者は細心の注意が必要である。
一方、家を借りる方の側も、業者の説明をうのみにするのではなく、本件のように特に線路に近いことが分かっている場合には、騒音と振動について自分で十分に確認しておくべきである。

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