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役に立つ不動産の知識〜トラブル事例〜

媒介に関するトラブル

業者の現地案内を受けて中古住宅を買ったが、売主側の業者だと思っていたら、媒介報酬を請求された
中古住宅の購入に際し、媒介してくれた業者が、売主側の業者だとばかり思っていました。ところが、その業者から媒介報酬を請求され、はたと困惑しています。
(越路康夫 36歳 会社員)

苦情の内容

越路さんは中古住宅の購入計画を立てていた。そんな折、新聞の折り込みチラシに自分の希望にピッタリの物件が掲載されていた。越路さんは、さっそくその業者に物件の問合わせを行い、現地案内を申し込んだ。
その翌日、その業者の案内で現地を見たところ、建物の間取りのほか、日当たりも良く駐車場も付いていたので本物件を購入することとして、その業者に価格の値下げ交渉を依頼した。結果的には価格は下がらなかったが、越路さんはその物件を購入した。
その後、業者は当然のように越路さんに媒介報酬を請求してきたが、越路さんにはどうしても納得がいかなかった。というのも、越路さんはその業者に媒介を依頼したつもりはなく、売主側の業者だと思っていたので、よもや、買主に報酬を請求してくるとは思っていなかったからである。

業者の言い分

越路さんから本物件の問合わせを受け、現地も案内しました。そして、価格の値下げ交渉を依頼されたので、売主に交渉もしたんです。売買契約成立に向けて、これだけ越路さんのために尽力したんですから媒介報酬を請求するのは当然ではありませんか。

紛争相談窓口の考え

本件は、媒介契約の存否が問題となっている。一般に、媒介契約は、いつ成立したといえるかは当事者の意思とも関連し、なかなか難しい問題である。売り依頼はともかくとして買い依頼の媒介契約の成立はとりわけ問題である。
業者が客から具体的な物件の問合わせを受けたというだけでは早すぎる。そうかといって、現地案内をすればすべて媒介契約が成立するというものでもない。
このように、買いの媒介契約の成立時期については確かに確定しにくい部分がある。しかし、いずれにしても業者は、買い依頼を前提としてその報酬を請求するというならば、買主との間で業法で定められている媒介契約書を作成し交付することは最小限必要であろう。
仮に、この媒介契約書も作成しないまま報酬を請求するならば、買主に媒介の依頼の意思があったことを明確に立証し納得させることが必要だろう。

トラブルの結末
越路さんは、業者に値引き交渉等を依頼したこともあり、請求額の半額を支払うことで解決した。

トラブルから学ぶこと

買主がチラシ広告を媒体として物件を購入する場合、その物件を媒介する業者は一般に売主側の業者であり、その業者の媒介により売買が成立しても、業者に媒介報酬を支払う必要がないと思っている買主もいる。このため買主が支払いを拒否することにより、紛争となることがまま見受けられる。
この種の紛争を防止するためにも、業者は遅くとも売買契約締結前に、依頼者に媒介報酬額等を明示した媒介契約書を作成交付し、依頼者の媒介依頼の意思を明確にしておくことが大切である。

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