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役に立つ不動産の知識〜トラブル事例〜

媒介に関するトラブル

買主の無理なローンで契約解除されたが、媒介業者に印紙代を請求したい
マンションの売却を業者に依頼し、売買契約を締結しました。しかし、ローンが不成立となり契約が白紙解除となってしまいました。どうも始めから金額に無理があったらしいのですが、この場合、業者から印紙代を返してもらうことはできないのでしょうか。
(松本 勉 48歳 会社員)

苦情の内容

居住用のマンションを6500万円で売却したいと思い、業者に媒介を依頼した。しばらくして、業者から、買手がみつかったが、代金のうち4000万円はローンを利用するので契約書にローン条項を入れてもらいたいと言われた。ローン条項の意味がよく分からなかったが、担当者が大丈夫、ローンは借りられるからと言うので契約をした。しかし、銀行と住宅金融会社でローンが不成立となり、売買契約が解除されてしまった。
買主は個人事業者だが、営業年数や収入からすれば、金額が多すぎて始めから無理であったようだ。結局2ヶ月近く待たされたあげく、その間に相場が下がってしまい当初の価格では売れそうにない。契約書に貼付した印紙代(6万円)だけでも返してもらいたいが、業者は応じてくれないというもの。

業者の言い分

ローン条項については、売主の了解を得て入れたものですし、印紙代は売主、買主各々の負担とする旨契約書に記載してあります。契約が解除されたからといって、媒介業者が印紙代を負担すべき理由はないと思います。

紛争相談窓口の考え

最近のように物件の価格が高額化してしまうと、自己資金だけで不動産を購入することは、ほとんど不可能になってきている。そこで不足分は銀行等から借入れすることになるが、申込みをしてみないと借りられるかどうか分からないので、ローン条項を契約書に入れておくのが通常となっている。
業者は、売買契約を成立させるにあたっては、両当事者に対し、ローン条項のような重要な契約条件については、その内容や効果について十分に説明をしておかなければならない。これは、依頼者の委任を受けて業務処理にあたっている業者にとって当然の義務である。
本件の場合、業者が買主の資金計画をきいて、収入等から判断すれば、ローンの不成立を容易に知りえたのであれば、業者に過失があったといえよう。そうであれば、業者は売主に対し、少なくとも印紙代等契約に直接要した費用を賠償すべきであろう。ただ、業者のいうとおり、印紙代というのは契約当事者が負担すべきものだから、業者の調査に手落ちがなければ、たとえ白紙解除になっても、業者に請求するのは無理であろう。

トラブルの結末
業者は、印紙代を売主に返すことにした。

トラブルから学ぶこと

ローン条項については、買主に対してはもちろんのこと、売主に対してもローン不成立の場合の効果について十分に説明し理解を得ておかなければならない。また、ローンの成否をできるだけ早く確定させることも大切である。売主は、この間非常に不安定な状態に置かれ、契約が解除になった場合は、最初から売却活動をやり直さなければならないからである。特に、物件の相場が下降気味の時は、売主に思わぬ損害を与えることになりかねないので、業者としても十分に注意しなければならない。

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