HOME > 役に立つ不動産の知識 > 媒介に関するトラブル > 媒介に関するトラブル事例

役に立つ不動産の知識〜トラブル事例〜

媒介に関するトラブル

自宅の売却の媒介を業者に頼んだが、結局買手が見つからなかったのに広告費を請求された
業者から自宅を買換えたらどうかと勧められ、売れるなら考えようと売却を依頼しました。しかし何人か購入希望者の案内はあったものの、成約に至らず2ヶ月経過してしまったので、買換えを断念し、売却依頼を断わりました。ところがその業者から、広告費の請求を受けました。支払わなければならないでしょうか。
(村上一郎 45歳 会社員)

苦情の内容

村上さんは、訪ねてきた業者から自宅を売って、もっと広い家を買われたらどうですか、この辺は高く売れますよ、との勧誘を受けたことから、永年住み慣れた所ではあるが、老後のことも考え、郊外に移るのも悪くないと売却を依頼した。しかし2ヶ月もたつのに、業者がつけてくれた価格以下にしても、売却が実現しないので、話を断わったところ、広告費5万円を請求されたというもの。

業者の言い分

当社としては、その物件の価格査定や公法上の制限についての調査をし、何人もの希望者を案内し、買い物件についても色々と紹介して、売買がまとまるように努力してきました。その間の費用は相当なもので、ある日、突然一方的に止めたと言われたのでは業者としてやりきれません。せめて広告費程度は負担してもらいたいと思います。

紛争相談窓口の考え

業者が媒介を業として行う以上、有償となるのは当然であろうが、それはまた売買契約成立のために業者がある程度の経費を負担するのもやむを得ないわけで、その経費負担の上に売買契約が成立したときに、はじめて媒介報酬として請求できるのである。
業者の報酬を定めた昭和45年10月23日付の建設省告示第1552号にもあるとおり、業者の媒介に要した費用は原則として請求できないことになっている。
ただ例外として、依頼者の特別の依頼を受けて業者が広告したような場合に限り、請求することができる。

トラブルの結末
村上さんが、広告費の半額を負担することで解決した。

トラブルから学ぶこと

業者が売買契約成立に向けて諸経費を負担し、媒介行為に努力を重ねているときに、依頼者から媒介を断わられ、その経費を依頼者が一切負担しないことは、報酬を期待している業者にとっては、大変不利益なことではあるが、前記告示の制限に準拠した業務をしなければならない。
ただ、標準媒介契約約款にあるとおり、媒介契約期間は3ヶ月を超えない範囲で定めるべきこととされており、依頼者が合意した以上、その期間内において、依頼者は自己の都合で一方的に解約することはできない。
解約できるのは、依頼者の催告があるにもかかわらず、媒介業者が媒介行為を履行しない場合や媒介行為に信義則違反があった場合などであるとされている。
約款がこのような条項を設けているのは、依頼者の勝手な媒介契約の解除による業者の不測の損害を防止する目的もあるのであり、本件において、お客が結局2万5000円を負担したのは、本来一方的に解約できない媒介契約を合意解除したものと解すべきであろう。

ページのトップへ戻る