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役に立つ不動産の知識〜トラブル事例〜

売買に関するトラブル

引渡しまでに和室の模様替えなどをしてもらうことにしたが、ローン不成立のため、白紙解除しようとしたら改修費を請求された
ローン条項により契約が白紙になると思っていたのに、業者から改修工事の費用を請求されました。どうしたらいいのでしょうか。
(内野雄作 52歳 会社員)

苦情の内容

内野さんは、ある業者から中古の一戸建住宅を購入した。購入にあたって、内野さんは業者からローンをあっせんしてもらい、これを売買代金に充当することとした。そして、売買契約書には、ローン条項が盛り込まれた。また、内野さんは引渡し前に古い浴槽の取替えと一階の和室を洋室に模様替えしてもらうこととした。
ところが、業者からあっせんされた金融機関にローンの借入れ申込みをしたところ、内野さんの希望する金額の貸付けはできないと言われた。そこで、内野さんは業者にローンが駄目になったので、ローン条項に基づき契約の解除と支払った手付金、中間金を返すよう要求したところ、業者はすでに改修工事が完了しているので、この費用を差し引いて返すという。
契約書には、ローン不成立の場合は契約は解除し支払い済み金銭は返還すると書かれているのだから、業者のいっていることはおかしいのではないかというもの。

業者の言い分

ローンが不成立となったので契約は解除されることになることは、当社としても何も異存ありません。改修工事は、内野さんの希望があったからしたことで、洋室の壁紙の色は内野さんが選ばれたもので、今度買われる方があの色を好まれるという保証はないのです。本来なら損害賠償を請求したいところなのですが、ローン条項があるから、改修工事の費用85万円の請求だけにとどめたのです。お客さんのご希望でした工事の実費を請求してどこがいけないのでしょうか。

紛争相談窓口の考え

業者がした改修工事は、売買契約の履行の一環として行われたものと考えられ、この点からすると、業者は履行に着手していることとなり、手付放棄では内野さんは契約を解除できない。このような手付放棄解除すら許されない状況になっていても、ローン条項による白紙解除が認められるのかという疑問をこの業者は持ったようである。ローン条項は、ローンが不成立の場合は、買主は無制約に契約を解除できる(あるいは契約の効力が失われる)ことを規定しているものである。そうすると、売主の履行の有無とは関係なく、ローン条項は適用されることになる。また、この業者はローン条項があるのだからローンが不成立の場合は契約がどのようになるのかは知っていたはずであり、そのうえで改修工事をしたのであれば、この費用は請求できないと考えられる。

トラブルの結末
業者は、改修工事の費用請求を取り止め、手付金、中間金を内野さんに返した。

トラブルから学ぶこと

ローン条項のある契約は、契約が解除される可能性があり、契約は成立しているものの不安定な状態となっている。従って、改修工事を行う合意があったとしても、業者は、ローンが成立するのを見届けてから着手しないと思わぬ損害をこうむることがある。

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