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役に立つ不動産の知識〜トラブル事例〜

売買に関するトラブル

業者から7年前に買った土地に家を建てようとしたら、隣地住人の排水管が埋設されていた
売主業者から購入した土地に、隣地住民が使用中の生活排水管が埋設されていました。購入時にはこのことについて説明を受けていませんでした。建物の建築に支障があるので、排水管の除去と損害賠償の請求はできないでしょうか。
(溝口真吾 38歳 会社員)

苦情の内容

溝口さんは、7年前に売主業者から購入した土地に、住宅を建築しようとしたところ、その土地に隣地住民が使用している生活排水管が埋設されているのが分かった。この件について、溝口さんは売主業者から何ら説明を受けていなかった。そこで旧所有者に聞いてみると、業者にはその事情を十分説明し、そのうえで本物件の価格を安くしたとのことであった。溝口さんは、これらの事情を踏まえて、業者に排水管の除去と損害賠償を請求したいというもの。

業者の言い分

溝口さんには生活排水管の埋設の事実については説明していませんが、地中に埋設されて見えないような事柄は溝口さん自らが調査、確認すべき事項であり、売主の側で説明すべき事項ではないと思います。従って排水管の除去や損害賠償に応じるつもりはありません。

紛争相談窓口の考え

本件の場合、排水管は下水道法第11条に基づいて設置されたものであるため、溝口さんにはお気の毒だが、隣地住民による排水管の使用を受忍しなければならないことになる。
このように、排水管が埋設されている土地を、その事実の説明を受けずに購入し、そのために契約の目的である建物を建てられないとすれば、買主は売主に対して瑕疵担保責任を問い、契約を解除することも、損害賠償を請求することも可能である。
しかし、一般には排水管の存在によって家が建てられないという例は極めて稀であろう。本件の場合も、建築するうえでは特段の支障がないようである。従って、実損を補う方向で当事者双方が話合いをしてはどうか。なお、本件の場合、業者は溝口さんに対して重要事項説明書を交付しておらず、業者の行為は業法違反である。

トラブルの結末
溝口さんと業者の話合いにより、見舞金の名目で業者が金員の支払いをすることで解決した。

トラブルから学ぶこと

本件のように、売主が業者で、買主が素人である場合には、不動産取引の専門家である売主に対して、通常の売買契約における売主よりも、私法上、重い説明義務が課されると解されている。また、業法は業者に対して一定の取引上重要な事項について厳格な重要事項説明義務を課し(同法第35条1項、47条1号)、これによって買主の保護と取引の公正を図ろうとしている。
埋設管のように実地の見分によっても容易に発見できないような場合は、トラブルを未然に防ぐことが困難であるが、前所有者から他人の生活排水管が埋設されていることを聞いていた場合は売主である業者としてもこれを説明する義務がある。

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