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役に立つ不動産の知識〜トラブル事例〜

売買に関するトラブル

中古マンションを買って引越したら、当然売買の対象となっていると思っていたクーラーが取りはずされていた
業者の媒介で、中古マンションを購入しました。ところが、いざ引越ししてみたら、当然取引対象物件に含まれていると思っていたクーラーが取りはずされていました。売主に再度クーラーを付けるように要求できないものでしょうか。
(高木和夫 35歳 会社員)

苦情の内容

高木さんは、マイホームをと思って探していたところ、希望沿線内の業者から中古マンションの紹介をうけ、さっそく物件を案内してもらった。紹介された物件は、価格が手頃で、交通の便、間取りも希望条件に近いし、それにクーラーが2基も取り付けられていたので、高木さんは、この物件を気に入り、さっそく売買契約を結ぶことにした。
ところが、契約をすませ、いざ引越ししてみると、当然付いていると思っていたクーラーが取りはずされていた。高木さんは、契約をしたときの状態のまま引き渡しが受けられるはずであるし、契約書にも、クーラーをはずして引き渡すことは特に記載されていなかったとして、クーラーを取り付けるよう媒介業者に申し入れた。
しかし業者は、クーラーを付けることが条件であると言わなかったし、売買契約書にも、クーラーを残すということは記載されていなかったとして申し入れを拒否している。業者の言う通り、クーラーは付けてもらえないのだろうか。

業者の言い分

私どもは、高木さんに誠心誠意良い物件を紹介したと思っています。あの物件は価格からみた場合、クーラーが付いていなくてもお買得になっています。もし、高木さんに、ぜひクーラーを残しておいてほしいという希望があったなら、交渉の段階でそのことをおっしゃるべきではないでしょうか。私どもは契約をする際、クーラーを付けることが条件であると言ってなかったので、契約書にもクーラーのことは特に記載しませんでした。それで、クーラーは売買の対象に含まれていないと申し上げたのです。

紛争相談窓口の考え

このようなトラブルの解決の基準として、民法には主物・従物の規定がある。主物である不動産が譲渡されれば、特約でもない限り、当然従物もそれに伴って所有権が移転する(民法87条第2項)。障子、襖、畳などの建具類や建物に取り付けられているもので、台所の流し、風呂桶、セントラルヒーティングなどの機器、据付け式の家具等は従物であると考えられる。
そこで、今回のケースはクーラーがこの従物にあたるかどうかであるが、最近一般の家庭ではより快適な生活を営むためにクーラーや、高価な照明器具を備えつけているのが現状である。居住者の多くは、それらを取りはずし自由な家具や冷蔵庫等と同じように経済的価値があり独立した所有物であると考えているので、現段階では従物であると判断するのはむずかしい状況にあるといえよう。
いずれにしろ、媒介業者は、クーラーのような値のはる付帯設備についてはこれを残すのか残さないのかを確認し、必ず契約書に明記させるようにする必要がある。

トラブルの結末
売主と話し合いの結果、売買代金を若干値引きすることで解決した。

トラブルから学ぶこと

何が売買の対象となるかは、売主と買主との契約によって取決めを行い、取決めがない場合は主物・従物論等で判断するのが原則である。ただ、主物・従物といっても、個々の対象物に当てはめると容易に判断できないケースも少なくない。そこで、不動産の取引にあたっては、媒介業者は、主要な付帯設備をリストアップし、取引対象に含めるのか否か個々に確認していくことが大切である。

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