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役に立つ不動産の知識〜トラブル事例〜

売買に関するトラブル

新築マンションを買ったが、3ヶ月後に200万円も安く売残り住戸が値引き販売された
新築のマンションを売出し価額のままで購入しましたが、売れ残った住戸が、その3ヶ月後に売出し価額より200万円も安く売られていたことを聞かされました。私には絶対に値引きはないと言っておきながら、短期間で200万円も値引きするのは信義則に反すると思います。200万円の返還を請求できないでしょうか。
(森 唯雄 40歳 会社員)

苦情の内容

森さんは、今年2月、郊外の分譲マンションを購入しようと思い、少しでも安くなればと売主業者に値引きの申入れをしたが、聞き入れてもらえず、結局パンフレットどおりの金額で契約を結んだ。
しかし、最近、管理組合の会合の際、森さんが契約したわずか3ヶ月後の5月に、5〜6人の人が売出し価額から200万円も安い金額で購入契約を締結していることを耳にした。森さんは、このような販売方法は業法31条に違反し、65条1項2号に該当するものだとし、当初業者の言い値で購入した買主にも公平に200万円の返還をするよう求めている。

業者の言い分

森さんに値引きできないと言ったのは事実ですが、これは、将来にわたって全住戸の販売について絶対値引きしないと約束したものではありません。経済情勢や社会事情の変化によって販売価額を見直すということは十分ありうることで、営利を目的とする民間企業としては当然の営業政策です。他のデベロッパーでも最初から値引きに応ずるようなセールスはしていないはずですし、近隣の他のマンションと比較しても、当社の物件が不当に高額であったというわけではありません。

紛争相談窓口の考え

経済原則に従い、売残り住戸の値引き販売を行うということはよく見られることであるが、現在の不動産業界において、値引き販売を行った場合、すでに購入した者への対応についての決まったルールはないようである。
本件の場合、値引きを始めた時期が若干早かったことが問題となっており、購入者の不満も心情的には理解できるので、業者はすでに購入した者の立場も考慮し、紛争解決に向けて配慮すべきであろう。

トラブルの結末
業者と居住者の話合いの結果、売出し価額で購入した人々に対し、業者は迷惑料の名目で、一律50万円の返還を約束した。

トラブルから学ぶこと

食品や家具等、一般の商品においては、一定期間経過後に売れ残った分の値引きをすることはごく自然に行われ、何ら問題が起きない。しかし、マンションについては次の理由からトラブルが発生することが多い。
(1)価額が極めて高額であり値引きによって家計負担が大幅に影響を受けること。(2)値引き販売された住戸があることによってマンション全体の資産価値が下がる可能性があること。(3)元値で買った人と安く買った人との間に感情的しこりが生じやすいこと。(4)業者が適正な販売計画をたてれば、売残りという基本的な問題がかなり回避できること。
常に業者が当初の販売価額を維持しなければならないという法律的な義務はないし、本件の事実関係から直ちに取引の公正を害するものだと考えるのは無理であろう。

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