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役に立つ不動産の知識〜トラブル事例〜

売買に関するトラブル

中古戸建住宅を業者から買ったが、入居後半月もたつのに所有権移転登記をしてくれない
業者から郊外の中古住宅を購入しました。入居して半月もたつのに、業者が所有権移転の登記をしてくれません。業者に何度も請求しましたが、そのつど理由をつけて引き延ばされています。
(青木 洋 60歳 会社員)

苦情の内容

青木さんは業者の広告で、築後3年、庭も比較的広く、趣味の盆栽をやるには格好の物件を見つけ、都心から転居した。今まで住んでいた家も予定通りの価格で売却できたので、その内から購入した家の代金を支払い、残額を老後の資金にできると喜んでいた。
ところが引渡し後、約束の半月を経過しても業者から登記済証がもらえない。何度催促しても今やってますとの返事ばかりである。
契約の際、謄本を見せながら、「所有権は当社に移っているのだが登記簿上の所有者名は前の所有者になっており、その人の名義で金融機関の抵当権も設定されたままになっている。入居後すぐに買主名にし、抵当権も抹消する」との説明を受けた。今の状態では登記簿上全く権利のない家に住んでいることになり不安でならないというもの。

業者の言い分

青木さんから受領した売却代金で前の所有者の銀行借入金を返済して、抵当権抹消手続をする予定にしていましたが、会社の資金繰りの都合上、一時そのお金を他へ流用してしまいました。
10日後別途返済のための資金を調達することができたので銀行借入金を返済し、抵当権抹消と所有権移転の登記をしようとしたところ、前の所有者から預っていた印鑑証明書の有効期限がすでに切れており、再度印鑑証明書を前所有者からもらうなどしていたため日数を費やしてしまいました。
さっそく登記手続をとります。

紛争相談窓口の考え

明らかに売主である業者側に非があるわけで、買主の知識不足、注意不足というより、完全に売主側の問題である。
代金を全額受領した以上、引渡時に抵当権抹消と所有権移転登記申請を行うのは当然であり、これを履行しないばかりか、再三の督促にもかかわらずこれを徒過している行為は、不当な履行遅延を禁止した業法第44条に違反するといえよう。

トラブルの結末
業者が前所有者から新たな印鑑証明書等登記に必要な書類をもらい、抵当権抹消登記と所有権移転登記を行い、無事に青木さんの手許に登記済証と登記後の謄本を届けた。

トラブルから学ぶこと

昨今のように不動産が高額になると担保権の設定されていない物件は稀といえる。
例えば新築物件であれば建売業者の土地購入あるいは建築資金借入のための抵当権が設定されていたり、中古物件であれば前所有者のローン借入れのための抵当権が設定されているのが普通である。
売買にあたって売主は買主に対して、代金授受と同時に登記簿上いわゆる無キズの状態で物件を引き渡さなければならない。
最終取引に際して抵当権等の権利を抹消するのは当然であり、事前か少なくとも当日には抹消できるよう関係者と連絡をとるなどの段取りが必要不可欠である。
手続を業者まかせにする消費者も軽率であるが、それ以上に代金を受領しておきながら物件を完全な状態で渡せないような取引をした業者の責任は重大である。

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