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役に立つ不動産の知識〜トラブル事例〜

売買に関するトラブル

土地の面積が不足していることが分かったので代金の減額を請求したら、契約書に精算条項がないと言われた
業者から土地を購入したのですが、面積が不足していました。代金の減額を申し出たのですが、応じてもらえません。
(高林 誠 45歳 会社員)

苦情の内容

高林さんは、半年前に業者から土地を購入した。家を建てるので念のため測量をしたところ、面積が購入時の表示面積よりも約2平方メートル不足していた。
売買契約書を見ると、面積は別途書類の地積測量図に基づいて表示されていた。売買金額の欄には、1平方メートル当たりの単価に基づき総額が計算されたものが記入されていた。
そこで、高林さんは不足分について代金の減額を請求したが、業者は代金を減額する責任はないと主張して、応じてくれないというもの。

業者の言い分

売買契約書をよく読んで下さい。1平方メートル当たりの単価は、売買代金の総額を算出した根拠を示すために、親切に書いたにすぎません。
売買代金についても、面積が増減した場合でも、代金を精算するつもりがないからこそ精算条項を設けなかったわけです。

紛争相談窓口の考え

本件の取引では、地積測量図に基づいて面積が表示されているが、総額は1平方メートル当たりの単価を基礎として積算されたものと考えられる。従って本件の場合は、いわゆる数量指示売買(民法第565条)に該当するものと思われる。
数量指示売買とは、「当事者において目的物の実際に有する数量を確保するため、その一定の面積、容積、重量、員数または尺度あることを売主が契約において表示し、かつ、この数量を基礎として代金額が定められた売買を指称する」(最高裁判・昭43.8.20)とされており、代金精算条項の有無により影響を受けないものと考えられている。
一般に、不動産取引を行う場合には、契約に際して、公簿売買であるか、実測売買であるかを、はっきり明示しておくことが必要である。
公簿売買の場合は、登記簿面積で面積を表示し、実際の面積に増減があっても、代金の精算はしないことを契約書にはっきりと明記しておくべきである。
また実測売買の場合には、契約前に実測をするのが望ましいが、手続上、契約してから所有権移転登記申請時までに実測を行うことにする場合は、契約時の面積(登記簿面積で表示することが多い)と実測後の実測面積に増減が生じた場合は、売買代金を1平方メートルあたりいくらで精算するか、または一切精算しないのかを、契約書に明記しておくことが大切である。

トラブルの結末
売買契約書に記載されていた1平方メートル当たりの単価に不足面積を掛けて算出した金額を、業者が返金することで解決した。

トラブルから学ぶこと

不動産の売買にあたっては、契約に際して
(1) 面積表示は、公簿によるのか、実測によるのか。
(2) 表示面積と実際の面積に増減があった場合は、売買代金の精算を行うのかどうか。
(3) 売買代金の精算を行う場合は、精算金額の算出基準となる1平方メートル当たりの単価はいくらとするのか。
を売買契約書に明記しておくことが大切である。
実測面積による場合でも、隣地所有者の境界確認がない場合など、後でトラブルの生じる可能性も皆無ではないが、いずれにしろ、表示面積と実際の面積が異なった場合に、後日精算するのか否かは双方納得の上で契約時に確認し、契約書に明記しておきたいものである。

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